建築ラボ

鉄筋工

2020.01.08

コンクリートの強度を増すために使われるのが鉄筋。コンクリートと鉄を組み合わせることで互いの長所、短所を補い、強度や耐久性を向上させる効果があるんだ。そのためコンクリートを使った構造物のなかには網目状に鉄筋が組まれていることが多い。鉄筋は1本60キロになるものもあり、鉄筋工はこれを扱うんだ、すごいだろ。
 

設計図にあわせて鉄筋を配置し、鉄筋同士のつなぎ目に接着剤を注入するなどいくつかの方法で鉄筋をつないでいく。熟練の職人ならば、水平、垂直、平行を美しく並べ揃えることができる。
 

そして組み上げた鉄筋に針金のようなものをハッカーという工具を使ってとめて(結束)いく。結束するスピードや美しさにより熟練工と呼ばれ、熟練になればなるほど鉄筋が組み上げられたその様子は美しく、アーティスティックですらある。出来上がった鉄筋は壮観だけど、残念ながらコンクリートを流し入れたら見えなくなってしまう。夜空に浮かぶ花火のように一瞬の美しさで消えていく、それがイキなところなんだ。コンクリートの骨組みとなる鉄筋をつくりあげる鉄筋工は、まさに屋台骨。やりがいがある仕事だね。
 

ちなみに、ラーメンはドイツ語が語源の柱と梁の接合部を剛接合(※1)とし、変形を抑えた構造形式の意味、ドーナツは柱、壁、時に梁のかぶり厚さを固定するために入れるもの、らっきょは正式にはらっきょバンドのことでU技型の補強として梁部材に用いる鉄筋のことなんだ。現場ではじめて聞いたら、昼ごはんの話と勘違いしちゃうね。

※1)剛接合とは … 接合部が変形しないような一体接合方法

協力会社名有限会社栗田鉄筋