例えば木造の家ならば木が壁になるけど、コンクリートは固まるまでは液体。だから、俺らはコンクリートを壁や床にするために、それを入れるための容器(型枠)をつくるのが仕事。

コンクリートが固まったら、型枠を外すまでを担当する。コンクリートは固まったら元に戻せないので、責任重大なんだ。外壁、柱、梁、内壁、床などがあり、建物の規模によって異なるけど、形的にややこしいのが階段、10年かかってやっと階段ができるようになるくらい難易度が高い。

この仕事の重要なところはイマジネーション。出来上がりを想像できないとつくれないから、図面を読み取り、図面に書いている数字を理解し、2次元の世界を3次元にする。階段はとくに難しいから、段が一段少なかったり、一段多かったり、なんてやらかしちまったことはあるな。それを経て一人前になるんだけど、出来上がりを頭の中で展開して考えられなきゃ、この仕事は務まんない。

せっかくつくった型枠はコンクリートが固まったら必要なくなるものだけど、コンクリートとして形に残るからいつも「あれはパパがつくった建物だよ」と娘に自慢してるんだ。
協力会社名有限会社斉藤建設
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