建築ラボ

クロス職人

2020.07.20

みんなが住んでいる家の壁紙は?でこぼこ、ツルツル、花柄、色々あると思う。それらの壁紙を貼っているのが僕らクロス職人さ。家の仕上げ作業に入った時が僕らの出番だ。クロスをきっちり貼って、かっこいい建物に仕上げるぞ。

クロスを貼る仕事は内装全体の雰囲気を決める仕事。人の目はなかなか鋭くてね、ぴったり貼られていたらかっこよく見えるし、逆に少しでもズレが見えてしまうとかっこ悪く見える。それだけに僕らの仕事がその建物全体の印象を左右すると言っても過言ではないよ。

僕の仕事は最初にクロスに糊を付けるところから始まるよ。こうやって自動糊付け機から出てきた壁紙を、糊が空気に触れないように綺麗に折りたたんでいく。この時に綺麗に折りたためていないと、糊の乾きにムラが出てきて仕上がりが汚くなってしまう。この作業は職人の腕前が現れる重要な作業でもあるんだ。

ちなみにこの糊はデンプンでできているから、舐めても平気。入りたての頃に実際に舐めてみたけど甘じょっぱい味がするんだ。でも美味しくはないからオススメはしない。

さて、いよいよ貼っていくけど、ここからは腰につけている道具だけで作業していくよ。機械とかは使わないから職人の腕がモロに出てくる。ただ貼っただけだとこんな風に空気が入ってしまうよね。そこで、このブラシで空気を抜いていく。どう?空気が抜けて綺麗になったでしょ?壁の端はヘラで揃えてからカッターで切る!これで完成だ。

どんな壁紙も貼る事ができるようになるには2〜3年はかかるよ。壁紙によって必要な糊の量も、乾く速さも違うから、それぞれの特性を知って対応できないといけないからね。壁紙の種類の数だけ貼り方にも種類がある。それだけに奥の深い仕事だよ。