建築ラボ

2023.03.29

建設現場で働く鳶職は、住宅やビル、橋梁、高速道路などの建設現場で足場を組んだり、鉄骨を組み立てたりする技術職。江戸時代に生まれたと言われ、家をつくるために、梁から梁を軽やかに動き回るそのイキな姿から「江戸の三男(さんおとこ)」などと呼ばれるほどモテる職業だったそう。それは今も変わらず、〝建設現場はとびではじまり、とびで終わる〟と言われるほどで、恐ろしく高い場所でも臆することなく動き回るその姿は、まさに花形!

鳶職人がいなければ建設現場は成り立たない

鳶職人が足場を組まなければ、建物を建てられない。重量のある鉄骨をひょいひょいと持ち上げながら、3階、4階とあっという間に足場を組んでいくその姿は見惚れるほど。高さ45m(15階)までの足場なら、簡単に組み上げるが、軽々と持ち上げている鉄骨の重さは、20キロ近くあるものもあるというから驚き。
「鳶」といっても高所作業の足場を組み立てたり、解体したりする「足場鳶」、高層ビルやマンションなど鉄骨造の建築現場で、建物の基礎となる鉄骨組みを行う「鉄骨鳶」、建物内部に大型機械などの重量物を据え付ける「重量鳶」など専門分野に分かれている。

足が竦みそうなくらい高いところでも鳶職人には平地のようにスイスイ

鳶職が履くニッカポッカはなぜふくらはぎが膨らんでいるのか?

鳶職人が履く、ニッカポッカは股下部分がダボっとして、横幅があるの特徴。高所で仕事を行うのに、あの横幅は邪魔にならないのか、と心配してしまうが、ピタッとしていないので仕事がしやすいそうだ。また、風になびくため、風の強さを見極めるセンサーの役目もあるという。ニッカポッカに憧れて、鳶職人になる人もいるくらい愛されて来たが、最近は足元が見えにくいなどの理由から一般的な作業着が主流になりつつあるようだ。

鳶職人といえばこれ!